抄録
近年,マグネシウム材料は多くの製品に広く用いられており,今後精密部品への適用も期待される.そのためには,ダイヤモンド切削に代表される精密切削技術が重要となる.通常切削においては,被削性の良好な材料であり,加工技術上特別な問題はほとんどない.しかしながら,微小切削においては,特に仕上面に顕著なスクラッチが生じ,良好な鏡面が得られない.本研究では,代表的なマグネシウム合金であるAZ31と純マグネシウムを被削材として,超精密ダイヤモンド切削実験を行い,微小切削における仕上面生成機構に関して考察した.その結果,合金中の介在物ならびに工具溶着物がスクラッチ生成の大きな原因となり,仕上面性状への影響が大きい.