抄録
熱処理したSUS304を乾式切削するとバリが発生し被削性が悪い.著者らの従来の研究によると,軟質金属の被削面に有機極性物質を微量(0.02 wt%)含む流動パラフィンを約1 mm厚塗布し乾式仕上げ切削すると,切削抵抗が減少し,仕上げ面性状が向上することが確認された.これは,有機極性物質の分子と転位近傍の金属原子との化学吸着に起因すると考えている.今回は有機極性物質の塗布に頼らず,被削面を大気圧中でプラズマ照射し,完全乾式切削を行った.その結果,照射時間の増加とともに切りくず厚さと切削抵抗が減少し,良質な仕上げ面が得られた.これは,空気中の水蒸気が電離しOH基と金属原子が化学吸着したためと考えられる.