抄録
多軸工作機械の1つとして5軸マシニングセンタを対象に,種々の構造形態に対応した位置偏差,角度偏差を同定するためのキャリブレーション方法の開発を目的として,シミュレーションを行った.具体的には,一方の旋回軸の可動範囲が90°以上,もう一方の旋回軸の可動範囲が360°であるテーブル旋回形,主軸頭·テーブル旋回形,主軸頭旋回形について,ボールバー法を用いた同時4軸運動および同時5軸運動によるキャリブレーション方法を提案し,シミュレーションを行った.その結果,それぞれの構造形態において偏差の推定が可能であることが確認できた.