抄録
切断現象の物理モデルについては文献上でいくつかみることができる。しかし、これらのモデルは除去過程で形成される切断フロントに定性的な説明を加えたものが多く、扱いがスタティックであり理論上の値が算出不可能な場合さえあることから、実際に適応できるとは言い難い。ここでは、既に報告した第2報の続報として、レーザ切断の除去過程におけるレーザ光及び酸素ガスと溶融金属との相互関係を、原子·分子の拡散過程を通して理論的に考察を加えたものである。これによって、酸素ガスによる溶融層で酸化のメカニズムや切断フロントの形成過程を更に詳細に説明することができた。