抄録
労働者の作業能率と健康問題を改善するために,作業による疲労の軽減が必要となる.すべての身体運動は筋収縮によって生じ,作業と筋疲労は密接に関係する.しかし,その関係は作業運動の様式,身体部位および個人能力という条件下で特徴な変化を示すことが明らかにされてきている.そこで本稿では,静的および動的作業運動に起こる作業の物理的負担を計算し,作業疲労実験で負担による筋疲労度の測定を行う.作業現場の仕事内容を考えた上で,上肢による繰り返す屈曲·伸展作業運動を主な対象とする.また,近年デジタルヒューマンモデル(DHM)の利用は生産システム設計に広がっているため,提案した作業疲労解析手法と結果を市販DHMに導入し,その応用性を検証する.