抄録
炭酸ガスレーザを用いて,粉体プレプレース法による合金工具鋼へのニッケル合金の肉盛を行った.レーザ出力,肉盛層数を変化して,肉盛層の硬さや組織を調べた.レーザ出力2200˜3100W,肉盛速度400mm/min,焦点はずし距離30mm,ビーム振幅7mm,保護ガスにアルゴンガスを用いた時,240˜260HV0.1の肉盛層硬さが得られた.肉盛層の組織は,急冷凝固のためにデンドライト2次ア–ム間隔が5μmの微細な組織に変化した.合金工具鋼表面の肉盛層付近には,熱影響部が生成し,マルテンサイト組織が観察された.