抄録
本研究では超音波振動を用いた加工法として、ATカット水晶振動子を用いることで、数MHzの共振周波数を用いた高周波領域での超音波ナノ振動切削法について報告する。本装置は原子間力顕微鏡をベースに開発された超音波ナノカッターである。通常粘弾性のあるポリマーは加工が困難であるが本装置を用いることで高精度に鋭い切削が可能となる。本装置を用いたパフォーマンスとしてライン加工、平面スライス加工、さらにハプティックデバイスを組み合わせた力覚フィードバックによるサンプル加工特性に関して報告し、マイクロデバイス製作やバイオ試料の解剖への応用の可能性に関して議論する。