抄録
合理的な保全活動の実施には,基本保全計画に基づく適切な保全方式の選択が必要である.保全方式の決定要因は,技術的な評価と管理的な評価に大別できる.技術的とは,設備に生じえる劣化・故障に対して適切に保全技術を適用しているかの評価のことである.本報告では,技術的な評価に基づく保全方式決定プロセスの中で重要な劣化・故障解析を支援するシステムを提案する.ここでは,要求機能・挙動・構造の階層と,それらの属性の状態遷移を表現できる設備モデルを活用したシステムを構築し,ブレーキシリンダに適用することでその効果を確認した結果を報告する.