Ti-Ni-Cu合金スパッタ薄膜の形状記憶特性に及ぼすCu組成の影響

抄録

本研究では、Ti-Ni-Cu薄膜の形状記憶特性に及ぼすCu組成の影響を評価した。DSC測定の結果、Cu組成が約10at%以下のTi-Ni-Cu薄膜はA→O→M二段変態を生じるのに対し、それ以上ではA→O一段変態になることがわかった。変態温度はCu組成の増加に伴い幾分上昇する程度であるが、変態温度ヒステリシスはCu組成が6at%以上でTi-Ni二元合金薄膜の約1/3まで急減し、すべり臨界応力もCu組成の増加に伴って高くなることがわかった。