抄録
光ファイバーの接合部に使用されている金属製のキャピラリは、ステンレス製の芯線に電着によりニッケルめっきを行い、終了後、規定の長さに切断し、ニッケルから芯線を抜いて作製されている。しかし、めっきに長時間を要するために製品のコスト高を招くこと、芯線の抜きが悪くキャピラリの歩留まりが低下することなどが指摘されていた。そこで本研究では、キャピラリの生産性を向上させるために高速めっき技術を応用しためっき装置を試作した。この装置を使用し、41A/dm2の電流密度でめっきを行えば芯線とニッケルの密着力が最小となることを見出した。この電流密度と高速めっき時の電流密度(60A/dm2)を使用して2段めっきすると、芯線が抜け易く、ピットの少ないキャピラリを通常より10倍程度早く製造できる。