抄録
マシニングセンタの送り系の熱変位対策には,ボールねじのプリテンション(予張力)とオイル冷却が用いられるが,デューティ比の高い加工では,ボールねじの冷却効果が十分に得られないことに加え,本体構造の発熱に対して新たな冷却機構が必要であることが課題となる.熱膨張量の予測に基づくボールねじ補正はコスト面の有利性があるものの,熱膨張に及ぼす張力の影響や本体構造の熱変位の予測が困難であることからプリテンションを付加されたボールねじに適用された例は少ない.本研究ではデューティ比の高い加工に対応したプリテンションを付加されたボールねじの熱変位補正法について検討を行った.