抄録
シリコンカーバイド(SiC)は,シリコン(Si)と比べ,バンドギャップが約3倍,絶縁破壊電界が約10倍であることなどから,電力利用の効率化を担うパワーデバイス用基板材料として有望視されている.しかし,SiCは,高硬度かつ熱的・化学的に安定なため,加工が非常に難しい.このため,われわれは,鉄などの遷移金属と過酸化水素水の反応により生成されるOHラジカルを利用した加工法を提案し,SiC表面の加工への適用を検討している.本報告では,鉄系の材料を工具として数種類用意し,単結晶SiC基板表面上の任意領域平坦化への適用を検討した結果について報告する.