従来，研磨の化学的作用についての研究は存在したが，化学的作用と機械的作用を統合的に扱った研究はあまり存在しない．そこで我々はセリア砥粒によるガラス系材料の研磨の機構を化学的作用と機械的作用の観点から解明を試みることにした．先報までに砥粒径と研磨性能の影響を調査し，砥粒径と研磨レートは強い相関性があるが，砥粒径と表面粗さとの間の相関性は比較的弱く，砥粒形状などの他の因子も影響している可能性を見出した．化学的作用の調査のために研磨前後の砥粒のXPS測定とFT-IR測定を行ない，研磨後のセリア砥粒にはシリカが付着している事が判明した．本報ではチタニア砥粒での試験を行ない，研磨後のチタニア・ルチル砥粒にはシリカが付着している可能性を見出した．
