抄録
視覚特別支援学校の算数や理科の授業では太陽の位置の認識およびデンプンのヨウ素液反応などの理科実験において、明暗によって出力音が変化する「光プローブ」を使用している。市販の感光器の出力音は照度に音の周波数を比例させているため、明るさの変化は音の高さの変化で判断できるものの、その明るさの程度を記録することができない。 我々は照度の関数として出力音の音階を変化させる方式の視覚障がい者用光プローブを開発した。本装置は感度を切り替えることで、屋外でも減光フィルターを用いることなく日向と木陰も識別できる。また本装置は、視覚障がいのある子どもたちに物づくりの面白さを知ってもらうために主要部品はコネクタに差し込んで接続・組み立てが出来るようにキット化した。