抄録
超音波切削加工技術は,超精密加工を実現できるほか,切削熱低減,工具長寿命化効果があることから難削材加工に適用される.この技術は,従来から低速切削で実施することを前提としており,生産効率が低くても加工品位を優先させる多品種少量生産への適用が主流である.近年,超音波発生の技術が進歩したことから,強力な超音波を得られるようになっている.そのため,超音波振動する刃先と加工物が連続接触する高速切削条件下でも超音波振動付与の効果を得られると考え,研究を行っている.本報ではチタン合金(Ti-6Al-4V)において高速切削条件下での超音波切削加工実験を行ったので,その結果を報告する.