精密工学会学術講演会講演論文集
2020年度精密工学会春季大会
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高濃度ガラス繊維充填ポリアミド成形品におけるジェッティングがガラス繊維配向と機械的強度に及ぼす影響検討(第2報)
*大谷 和也生方 和希村田 泰彦上羽 文人
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p. 454-455

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抄録

プラスチック製品の機械的特性を向上させるために、50wt%以上の濃度のガラス繊維が充填された高濃度ガラス繊維充填樹脂が用いられている。上記樹脂では、一般的に使用されている40wt%以下の濃度の樹脂に比べて、成形品内でのガラス繊維配向状態が異なり、それに伴い機械的特性も異なるものと予想される。そのため、樹脂流動挙動やガラス繊維配向状態について研究が行われている。著者らは、既報において、ガラス繊維が60wt%充填された厚さ2mmの矩形平板のポリアミド成形品において、正常なファウンテンフローが起こらないこと、この流れがガラス繊維配向と引張強度に及ぼす影響を明らかにした。本報告では、2mmの成形品厚さに対して、ゲート厚さを、既報の2mmから1mmに変更した場合に生成されるジェッティングが、成形品内におけるガラス繊維配向と機械的強度に及ぼす影響について検討した。その結果、ジェッティングによって発現する特異なガラス繊維の配向状態が、成形品の引張強度に影響を及ぼし、ジェッティングが発生しないゲート厚さ2mmの場合よりも引張強度が若干低下することを明らかにした。

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© 2020 公益社団法人 精密工学会
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