主催: 公益社団法人精密工学会
会議名: 2020年度精密工学会春季大会
開催地: 東京農工大学
開催日: 2020/03/17 - 2020/03/19
p. 456-457
炭素繊維強化熱可塑性樹脂CFRTPは、射出成形が適用できるために複雑形状製品の大量生産が可能となり,スポーツ・レジャー用品から自動車部品などに至るまで広く用いられている。しかし、射出成形では、一般的に短繊維が用いられることから、製品強度上の問題を有していた。そこで、近年、連続繊維で強化された高強度のCFRTPシートを、輻射加熱を用いて軟化させてから、圧縮成形機で一次成形をした後に、金型を加熱しながら射出成形によりリブなどの複雑な形状の成形品を一体成形する加熱・冷却ハイブリッド射出成形プロセスが提案されている。しかし、本成形法では、大規模でかつ、複雑な設備が必要となり、成形現象の解析が困難な状況となっている。既報では、著者らが開発した遠赤外線ヒータと立体キャビティプレートを用いた加熱・冷却射出成形法を応用して、簡易的に、CFRTPシートと金型を同時に加熱できる加熱・冷却ハイブリッド射出成形金型を設計・製作した。本報告では、本金型を用いて、CFRTPシートの積層枚数が、成形品外観に及ぼす影響について明らかにした。