抄録
【目的】短下肢装具(以下,装具)は,歩行能力の向上に貢献しているが,従来より,麻痺側下肢立脚期における矢状面上のチェックが中心で,人間の歩行を十分に検討しているとはいえない。そのため,装具の作製時及び仮合わせ時におけるチェック表の作成を試みた。【方法】プラスチック装具(継手付を含む)と金属支柱付き装具を対象とした。作製時チェック表は,当センターで装具を作製した163例で,装具検討会資料より項目を集計し分類した。仮合わせ時チェック表は,当センター理学療法士18名にアンケートを依頼し,得られた回答を分類した。【結果】作製時チェック表は,782項目を集計した結果,10大項目と22小項目,仮合わせ時チェック表は,182項目を集計した結果,9大項目と23小項目で作成された。【結論】装具作製は,麻痺側下肢立脚期の矢状面上のみならず,前額面上や水平面上,そして麻痺側遊脚期のチェック項目も検討する必要があることが示唆された。