理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
当院におけるダウン症候群児に対する下肢装具療法の現状
守岡 義紀武井 圭一山本 満
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2017 年 24 巻 1 号 p. 40-42

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抄録
【目的】当院におけるダウン症候群児(以下,DS児)に対する下肢装具療法の現状を明らかにすることを目的とした。【対象および方法】当院で理学療法を行ったDS児のうち下肢装具を作製した児を足底装具群(A群)14名,非足底装具群(靴型・短下肢装具:B群)9名に分類した。下肢装具の目的と作製月齢,歩行獲得の月齢を診療録より調査した。【結果】装具の目的は,A群は外反扁平足・開張足の改善,膝関節症状の改善,B群は加えて立位安定性の向上であった。装具作製月齢の中央値(A群・B群)は,31ヵ月・29ヵ月であり有意差を認めず,歩行獲得月齢は24.5ヵ月・36ヵ月であり有意差を認めた。2群ごとの装具作製月齢と歩行獲得月齢の比較では,A群は装具作製に対して歩行獲得が有意に早く,B群は装具作製に対して歩行獲得が有意に遅かった。【結論】当院では,足底装具はDS児の中でも歩行を順調に獲得する児に対して歩行獲得後に作製し,非足底装具は歩行獲得が遅延する児に対して歩行獲得前に作製する傾向を認めた。
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© 2017 社団法人 埼玉県理学療法士会
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