理学療法 - 臨床・研究・教育
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症例検討
長橈側手根伸筋の機能に着目し運動療法を実施した上腕骨外側上顆炎の一症例
矢作 賢史圷 誠斗矢作 翔平吉野 恭平久高 正嗣大野 潤福田 佳男藤井 基晴
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2019 年 26 巻 1 号 p. 55-58

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抄録

【はじめに】本報告は症例を通じて上腕骨外側上顆炎の病態を生体力学的観点から検討するものである。【症例記述】症例は40歳代女性の専業主婦である。水の入った加湿器の水タンクのキャップ部分を母指・示指・中指を用いたつまみ把持である3点つまみで把持し持ち上げた時に右肘関節外側部痛が出現し,右上腕骨外側上顆炎と診断された。本症例に対し,短橈側手根伸筋の負荷軽減を目的として長橈側手根伸筋の活動を促す運動療法と把持動作の指導を実施した。理学療法開始後2ヶ月の時点で疼痛誘発テストおよび力強い把持を必要とする動作での疼痛は消失した。【考察】長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋の手関節に対する作用は異なるものであり,長橈側手根伸筋の活動を促す運動療法と把持動作の指導が上腕骨外側上顆炎の治療においては重要になると考える。

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© 2019 社団法人 埼玉県理学療法士会
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