2020 年 27 巻 1 号 p. 36-39
2型糖尿病患者20名に,目標心拍数をCPXとカルボーネン法から求めた場合の比較を行った。目標心拍数の平均は,AT時のHR(ATHR)が108,k=0.3で104,k=0.4で113,k=0.5で122,k=0.6で130。AT1分前HRとk=0.4 , 0.5 , 0.6,ATHRとはk=0.5 , 0.6で有意な差を認めた。%ATが100%以下の運動耐容能低下例が,82.7%であった。カルボーネン法で目標心拍数を求める場合,k=0.5,0.6ではAT以上の負荷量になる恐れが示唆された。k=0.4は慎重に,k=0.3は運動開始時やCPX実施困難な場合に適用できる可能性が示唆された。一方で,2型糖尿病患者は自律神経障害を呈している場合が多く,運動耐容能低下を認める例が多いことも勘案すると,CPXから求めたAT1分前HRやATHRを用いることが推奨される。