2020 年 27 巻 1 号 p. 40-44
【目的】肺切除術当日の端座位を達成するための予測因子の抽出を行った。【方法】肺切除術と術前後の理学療法介入を行った54例を対象とし,術後当日における端座位達成群と非達成群の2群に分け,術前身体機能,手術関連因子を比較した。さらに肺切除術当日の端座位の可否を従属変数,2群間の比較で有意差を認めた項目を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析を行い,そこで選択された項目のカットオフ値をROC曲線から算出した。【結果】2群間の比較では年齢,性別,術前6MWD,手術時間で有意差を認めた。多重ロジスティック回帰分析では性別,術前6MWD,手術時間が選択され,カットオフ値は術前6MWDが443 m,手術時間が178分であった。【結論】肺切除術当日の端座位を行う上で,術前6MWDと手術時間のカットオフ値は判断の一助となりうる。