2021 年 28 巻 1 号 p. 69-73
【目的】上腕骨近位端骨折後RSAの理学療法士による1症例報告は少ない。今回,肩甲上腕関節の拘縮予防,肩甲帯の機能回復に焦点を当てたアプローチを行い,良好な成績を得られたので報告する。【方法】RSAの構造的特徴,リスクに配慮したアプローチを肩甲上腕関節,肩甲胸郭関節に応じて,それぞれ実施した。【結果】術後6ヶ月でADL上支障がない状態まで可動域,筋力が改善した。【結論】上腕骨近位端骨折後のRSA症例における理学療法の役割として,肩甲上腕関節では拘縮を予防する事,肩甲胸郭関節では機能回復を促通する事が,良好な治療成績を得るために重要である。