2025 年 32 巻 1 号 p. 40-44
【はじめに】本研究では,変形性膝関節症患者の人工膝関節全置換術(TKA)後膝関節屈曲可動域と膝蓋骨高や膝蓋腱厚との関連性を検討した。【対象および方法】2021年7月から2023年11月にTKAを施行した42 名50 膝を対象とした。測定項目は,膝関節屈曲可動域,膝蓋骨高(BP),膝蓋腱厚とした。術後膝関節屈曲可動域と術前後膝蓋骨高,膝蓋腱厚との関連性をSpearmanの順位相関係数にて検討した。【結果】最終的な解析対象は20名23膝となった。術後膝関節屈曲可動域と膝蓋骨高,膝蓋腱厚に有意な相関を認めなかった。【結論】TKA後膝関節屈曲可動域と膝蓋骨高,膝蓋腱厚に有意な相関を認めなかった。今後サンプルサイズを増大し,膝蓋骨高や膝蓋腱厚以外の因子による術後膝関節屈曲可動域との関連性も考慮し,再検証する必要がある。