理学療法 - 臨床・研究・教育
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脳卒中リハビリテーション患者における入院時体幹筋量は起き上がり動作獲得の予測因子になり得るか
池田 尚也藤井 祐貴
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ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 2026-06

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抄録

【目的】本研究では回復期リハビリテーション病棟に入院した,脳卒中患者を対象に体幹筋量と起き上がり動作獲得可否の関連性を調査した。【方法】退院時の起き上がり動作獲得可否に基づき,患者を起き上がり獲得群と非獲得群に分類した。ロジスティック回帰分析を用いて,入院時の体幹筋量が退院時の起き上がり動作獲得の予測因子であるかどうかを検討した。さらに,起き上がり動作獲得可否に関連する因子のカットオフ値を算出した。【結果】合計174 人の患者(男性:92 人,女性:82 人)が研究に組み入れられた。ロジスティック回帰分析の結果,起き上がり獲得に関連する因子は体幹筋量であった。入院時の体幹筋量のカットオフ値は男性で6.32 kg/m2,女性で5.92 kg/m2であり,退院時の起き上がり獲得可否を区別する際の体幹筋量の曲線下面積は,男性で0.82,女性で0.83 であった。【結論】脳卒中患者における入院時の体幹筋量は退院時の起き上がり動作獲得と有意に関連していた。入院時の体幹筋量が男性で6.32 kg/m2,女性で5.92 kg/m2以上であれば,退院時に起き上がり動作が獲得できる可能性が示唆された。

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