日本糖尿病理学療法学雑誌
Online ISSN : 2436-6544
透析患者における歩数と身体活動の関係性 パイロットスタディ
Ishida TakekiKono KenichiMoriyama YoshifumiYabe HirokiNishida Yusuke
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 1 巻 1 号 p. 10-19

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抄録

【背景/目的】透析患者に対する身体活動量の評価は,3軸加速度計を使用した直接的な評価が多いが,その実用性や有用性は限られる.よって,透析中に実施可能な質問用紙による間接的な身体活動量の評価の有用性が必要と推察される.本研究の目的は,間接的な評価による身体活動量と直接的な評価による身体活動量の関係性を調査することである. 【方法】本研究は,単施設でのパイロットスタディであり,外来透析患者27例を対象とした.直接的な身体活動量の評価として3軸加速度計による歩数を評価した.間接的な身体活動量の評価としてInternational Physical Activity Questionnaire (IPAQ short Form, IPAQ-SF)を用いて身体活動強度を評価した.直接的評価を示す歩数と間接的評価である身体活動の関係性を解析した. 【結果】非透析日,透析日それぞれにおいて歩数と身体活動強度の関係性は認められなかった.一方で非透析日の歩数が3700歩以上を示す群にて,非透析日の歩数と身体活動強度に関連性を認めた(r = 0.81, p < 0.05). 【考察】本研究から,非透析日に3700歩以上活動する透析患者において,身体活動量の直接的評価を示す歩数と間接的評価であるIPAQ-SFの関連性を認めた.よって,IPAQ-SFは,身体活動量が高い高齢透析患者に対しての身体活動量の評価に適している可能性がある.

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© 2022 日本糖尿病理学療法学会
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