日本糖尿病理学療法学雑誌
Online ISSN : 2436-6544
2型糖尿病患者に対するチェアエクササイズの実施が運動後の血糖に及ぼす影響
浅野 伝美奥村 高弘渡邊 淳子酒井 幸
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 4 巻 1 号 p. 50-59

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抄録
【背景】運動療法は糖尿病の基本治療の一つであり,有酸素運動やレジスタンストレーニングが有効とされている.近年,患者高齢化に伴い低筋力のために立位運動が困難である患者が少なくないが,糖尿病に対する運動効果についての報告は立位運動にて検証されているものが多く,低筋力者でも実施可能である座位運動の効果は明らかとなっていない.そこで本研究ではチェアエクササイズの実施が血糖変動に与える影響について調査した. 【方法】当院入院中の2型糖尿病患者を対象に,腕振り+足踏み運動と6種類の筋力トレーニングを組み合わせたチェアエクササイズ実施した.Free StyleリブレProの血糖レポートにおける血糖値0mg/dLから血糖推移の線までの距離(血糖距離)を血糖値の代替指標として用い,運動開始〜3時間の間の7時点で測定した.またAmbulatory Glucose Profileグラフにおける0mg/dLから中央値の線までの距離も同時点で測定し,比較対象とした. 【結果】24名が対象となった.二元配置分散分析の結果,チェアエクササイズ実施の有無と時間の間に有意な交互作用が認められ,実施の有無において主効果が確認された.低筋力群に限局した場合でも運動後に血糖距離が減少する傾向が確認された. 【考察】チェアエクササイズは立位運動実施困難な低筋力患者に対する有効な運動方法の一つとなる可能性が示唆された.
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© 2025 日本糖尿病理学療法学会
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