抄録
【目的】令和4年度の診療報酬改定で透析時運動指導等加算が新設された.しかし内部障害系のリハビリテーションは運動器系や神経系と比較すると,認知されていないとされている.わが国は世界一の超高齢社会となり,重複障害という新たな課題に直面しており,理学療法士は内部障害リハビリテーションの知識,技術の向上が必要であると考えている.そこで理学療法士の腎臓リハビリテーションの認知度についてアンケート調査を行うことにした.
【方法】理学療法士784名を対象にアンケート調査を行った.質問内容は経験年数,所属施設の病期,透析実施の有無,①腎臓リハビリテーションという言葉を知っているか,②腎臓リハビリテーション指導士という資格を知っているか,③糖尿病足病変で運動器リハビリテーションが行えるようになったことを知っているか,④透析時運動指導等加算が新設されたのを知っているかとした.
【結果】424名から回答を得た.単純集計は①知っている83%,②知っている58%,③知っている22%,④知っている33%,であった.経験年数での比較は,経験年数が長い理学療法士が認知している傾向があった.病期での比較は急性期に所属している理学療法士は認知している傾向があった.また透析を実施している施設の理学療法士は認知している傾向があった.
【結語】経験年数や所属している施設によって,腎臓リハビリテーションの認知度は異なる可能性が示唆された.