理学療法かごしま
Online ISSN : 2436-8458
薬剤管理下での早期リハビリテーション介入により 発症前ADLの再獲得が可能であった重症破傷風の一例
花北 悠利佐藤 圭路杉安 直樹福屋 真悟生駒 成亨崔 権一
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2023 年 2 巻 p. 1-7

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抄録
破傷風は外毒素により痙攣,呼吸不全等を呈し,薬剤による長期ICU 管理を要する疾患である。今回,集中治療医の薬剤管理及び全身管理と多職種連携下での早期リハビリテーション介入により発症前ADLの再獲得に至った重症破傷風の一例を経験した。症例は70 歳代男性,錆びた鉄柱で右腕を負傷後に開口障害,嚥下障害等が出現,直ちに鎮静薬・硫酸マグネシウム投与後に人工呼吸器管理を開始し,ICU 緊急入室となり破傷風の診断となった。細やかな薬剤管理と全身管理に加えて,毎日の多職種カンファレンスで病状把握と情報共有を行なった上でリハビリテーションを行った。その結果,独歩可能となり,Medical Research Council スコア54 点,Barthel Index も100 点へ改善し,発症前ADL の再獲得に至った。重症破傷風は長期の人工呼吸器と筋弛緩薬の使用によりICU acquired weakness のリスクが高くADL 回復に難渋するとされている。本症例は,急性期の段階まではICU acquired weakness に相当する状態であったものの,細やかな薬剤管理と多職種連携下でリハビリテーションを継続した結果,過剰な筋力低下や関節拘縮を呈することなく発症前ADL の再獲得が実現できたと考える。
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© 2023 公益社団法人 鹿児島県理学療法士協会
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