抄録
【目的】本研究の目的は研究実施施設において回復期リハビリテーション病棟に入院した大腿骨近
位部骨折術後例を対象に、実績指数が40 を下回る症例の予測因子を明らかにすることである。
【方法】回復期リハビリテーション病棟を入退院した大腿骨近位部骨折術後例を対象に病棟入
棟期間の実績指数を個別の症例で算出した。実績指数の予測因子について説明変数を性別、年
齢、受傷前の居所、受傷前の要介護度、受傷前の障害高齢者の日常生活自立度判定基準、受傷前
の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準、回復期リハビリテーション病棟入棟時のFunctional
Independence Measure 各項目とし、2 項ロジスティック回帰分析を使用して解析した。
【結果】実績指数が40 以上となるか否かのアウトカムの予測式として抽出された項目と多変量解析
補正後オッズ比は後期高齢者(1.68)、要介護度(1.91)、FIM の食事(1.56)、社会的交流(2.25)であっ
た。
【結論】大腿骨近位部骨折術後例の実績指数が40 以上となるか否かの予測には後期高齢者か否か、
受傷前の要介護度、入棟時FIM のうち食事、社会的交流が有効である。