抄録
【目的】変形性膝関節症患者の階段昇降速度と身体的・心理的因子との関連性について検討した。【方法】階段の昇段速度、降段速度、昇段と降段の速度比率(AD 比)、等尺性膝伸展筋力(IKES)、Timed Up & Go tes(t TUG)、快適 10m 歩行速度、階段昇降を完遂する自信感(SE)、階段昇降中の疼痛(NRS)を評価した。昇降パターンは1 足1 段と2 足1 段に群分けした。
【結果】階段昇降速度はIKES とTUG、快適10m 歩行速度と相関があり、SE はAD 比と相関があった。NRS は、いずれの変数とも相関がなかった。
【考察】本研究で階段昇降速度と関わりのあった因子のひとつにTUG がある。TUG は、階段昇降動作と同様の「踏み替え」「加速」「減速」の構成要素を含むため相関があったと考えられた。また、SE が低値な者ほど昇段速度に比べて降段速度が遅い結果であった。階段昇降動作を評価する上で、階段昇降速度のAD 比をみることは理学療法評価の一助になるかもしれない。