関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第33回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: F-061
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ポスター発表(フレッシュマン)
ADL自立を目指し起立動作練習を中心に実施した脳卒中患者の症例
*馬目 侑紀濱中 康治山本 紗織
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キーワード: 脳卒中, 起立動作, 起居動作
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抄録
【はじめに】 脳卒中患者に対し早期からの起立動作練習はADL自立に 繋がるとの報告が多くある。今回、脳卒中患者に対し、起立 動作練習中心の治療を実施したが、ADL自立には至らなか った。この症例について考察する。 【症例紹介】 本症例は既往歴にラクナ梗塞があり、今回、右被殻出血を 発症し左不全麻痺を呈した64歳男性である。尚、本症例には 発表の主旨を説明し同意を得た。 【初期評価】 JCS;1-3,運動麻痺BRS;上肢2,手指1,下肢2,表在感覚; 重度鈍麻,深部感覚;中等度鈍麻,基本動作;全介助, ADL評価;Barthel Index(10点),FIM(39点) 【最終評価】 JCS;清明,運動麻痺BRS;上肢3,手指3,下肢3,表在 感覚;軽度鈍麻,深部感覚;軽度鈍麻,基本動作;寝返り- 近位監視,起き上がり-近位監視,移乗-近位監視,起立-近 位監視,歩行-軽介助,ADL評価;Barthel Index(55点), FIM(78点) 【経過】 発症時、本症例は起居・移乗動作に全介助を要した。発症 から2週間後にベッド上動作が行えたことから、二木の予後 予測を踏まえ、起居・移乗動作自立を2ヶ月後の目標とした。 治療はADL自立度向上を目的とし、起立動作練習を中心に実 施した。しかし、発症から2ヶ月後の最終評価時に起居・移 乗動作自立には至らず、発症から3ヶ月後に起居・移乗動作 は自立した。 【考察】 吉田らは脳卒中発症早期からの起立動作によりADL自立 度が向上すると報告している。起立動作について、相場らは 下肢の支持性向上等に効果があると報告している。また今ら は、CKC運動は起居・移動動作能力を向上し、ADL自立度向 上に繋がると報告している。しかし、本症例は発症から2ヶ 月で起居・移乗動作自立には至らなかった。この要因は、起 立動作は体幹回旋運動等の要素を含まず、起居・移乗動作に 必要な身体機能促通が不十分であったためである。よって、 各々の動作に必要な身体機能に対しても治療することが起 居・移乗動作自立に繋がると考えた。
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© 2014 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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