関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O-117 患者影響度8分類0レベルの報告の強化を目指した取り組みとから見えたこと
小峰隆弘
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p. 117-

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抄録

【はじめに】一般的に急性期病院のリハビリテーション科は患者の発揮可能な能力よりも難易度の高い課題を実施することが多く、点滴・ドレーンなどのチューブ管理を含め身体介助以外にも配慮を必要とする項目が多い。加えて当院では経験2 年目以下のスタッフが46.8%を占めており、医療安全の観点から事故防止の取り組みは必要不可欠な状態となっている。

【目的】リハ科が抱えている問題点を顕在化すること。

【方法】院内指定のレポートとは別にリハ科独自のインシデント専用のレポートを作成し(以下リハレポート)報告してもらう。リハレポートは選択式で職種、経験年数、発生場所、シチュエーション、影響対象、影響効果を選んで記入する。対象者名等の個人を特定する情報は含まず、倫理的に問題ない内容となっている。

【対象】リハレポートでの報告が許可されているのは患者影響度8分類のうち0レベルの報告のみで、患者影響度が

1~2 レベルのものに関しては院内指定のレポートを用いて報告する。

【結果】院内指定のレポートでは昨年の1年間で0レベル22 件、1レベル29 件、2レベル3件、3a レベル1件であった。リハレポートは年間で308 件の報告があがった。リハレポートを0レベルに加えると0:1:2:3a=330:29:3:1 となった。

【考察】今回0レベルの収集を強化したところ、ハインリッヒの法則と一致する集計結果が得られた。ハインリッヒは、重大な事故を予防するには300 のヒヤリハットに対しての予防や意識付けが重要であると述べている。先行発表でもハインリッヒの法則を考えの基本としてインシデント報告数増加を試みた報告は少なくない。しかし、リハビリテーション科関連の報告でその法則通りの集計結果が出ているものは見つけられなかった。 今回の結果で、リハレポートが0 レベルの収集に効果的であることがわかった。今後はそのデータの活用方法や情報の共有の方法などの検討を加えて実施していきたい。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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