関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O-014 臨床実習内容について理学療法士へのアンケート調査
木島隆
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p. 14-

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抄録

【目的】臨床実習の目的は、臨床の場面でしかできないことを経験させ、学んだ知識を臨床での業務を通じ統合し解釈することである。しかし、現在の臨床実習の大半はレポート作成に時間を費やし本来の目的が未達成のように思われる。今回、学生時代の臨床実習に行ったことが現在の臨床にどう影響を及ぼしているかを分析し、今後の臨床実習に役立てることを目的としアンケート調査を実施したのでここに報告する。

【方法】11 施設207 名(男性123 名、女性84 名)の理学療法士にアンケート調査を実施した。経験年数5.16±3.61

年(平均経験年数±標準偏差:経験年数範囲:1~22 年)であった。アンケート項目は1.臨床実習にレポート作成は必要と思うか、2.もう一度行うとしたら臨床実習か国家試験かとした。項目1.は「はい」「いいえ」のいずれかを、2.は「臨床実習」「国家試験」のいずれかを回答し、それぞれ理由を問うた。なお、調査用紙には無記名であること、統計的に処理され回答が明らかにはならない旨を明記し、アンケートに回答したことを同意とみなした。

【結果】アンケート回収率は99.0%であった。項目1.に関し「はい」82%(168 名)、理由は「文章能力の向上」や「学生指導に役立つ」などであった。「いいえ」18%(37 名)、理由は「学生・指導者の負担が多い」や「レポートが目的となり本質がみえていない」などであった。項目2.に関し「国家試験」は75 名(37%)、理由は「実習が辛い」や「ストレスが多い」などであった。「実習」は130 名(63%)、理由は「見学や体験を行い自己研鑚したい」などであった。

【考察】臨床実習はほとんどがレポート作成を必要と考えていた。理由は「文章能力の向上」や「学生指導に役立つ」などであり、本来の臨床実習の目的とは異なるように思われる。また、項目2 の理由で「実習が辛い」や「ストレスが多い」ことからも、現在行われている実習内容を検討する必要があるように思われる。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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