関東甲信越ブロック理学療法士学会
Online ISSN : 2187-123X
Print ISSN : 0916-9946
ISSN-L : 0916-9946
第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
会議情報

ポスター
P-083 当院における脳卒中急性期からの転帰に関する動向調査~早期退院・早期転院を目指して~
長渡英和岩本久生衣田翔高橋優子松谷春香小島明大
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 267-

詳細
抄録

【はじめに】先行研究にて脳卒中急性期治療後に自宅や回復期病院へ転帰する際の関連因子を明らかにした報告は多い。しかし、当院の脳卒中治療は病院完結型であり、転帰先が介護保険施設を含む場合もある。そこで本研究は当院での脳卒中急性期治療後の転帰先として介護保険施設を含め、その関連因子を明らかにする事を目的とした。

【方法】対象は脳卒中患者で当院の急性期リハビリを実施した54 症例とした。方法は転帰先を自宅群・回復期群・施設群とし、身体機能、入院中の経過、患者背景からなる23 項目をカルテより後方視的に調査した。統計はχ<SUP>2</SUP>検定及び多重比較検定を用い3 群で比較し、有意水準は5%とした。χ<SUP>2</SUP>検定は調整済み残差より3 群の各項目に有意差が認められるかを調査した。倫理的配慮としてヘルシンキ宣言に則り診療録データの外部への使用許可を確認し同意を得た。

【結果】χ<SUP>2</SUP>検定では身体機能、患者背景に有意差が認められた。多重比較検定では自宅群と回復期群では全項目に有意差が認められなかったが、身体機能、患者背景では回復期群と施設群、自宅群と施設群で有意差が認められる項目があった(p<0.05)。調整済み残差では自宅群と施設群に有意差のある項目が多かった。

【考察】本研究では自宅群と回復期群では有意差が認められなかった。先行研究では自宅群と回復期群では身体機能で有意差が認められたと報告されている。これは当院回復期に転棟する対象者が比較的身体機能障害が少ない為、自宅群と回復期群で差がなかったと考えられる。また、本研究では自宅群と施設群では身体機能のみならず、患者背景にも各群に有意差のある項目が多かった。八木らの報告では、急性期病院での転帰先の関連因子では患者背景に有意差はみられなかったが、当院のような急性期病院でも転帰先が介護保険施設を含む場合は患者背景も考慮されることが分かった。

著者関連情報
© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
前の記事 次の記事
feedback
Top