関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: S-004
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教育講演3 呼吸理学療法の歴史と発展すべき方向性 -基礎研究の応用から臨床実践まで-
基礎研究成果が示す呼吸理学療法の方向性
久田 剛志
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抄録

 2013年に発表されたATS/ERSの呼吸リハビリテーションに関するステートメントでは、“Pulmonary rehabilitation is a comprehensive intervention based on a thorough patient assessment followed by patient-tailored therapies, which include, but are not limited to, exercise training, education, and behavior change, designed to improve the physical and psychological condition of people with chronic respiratory disease and to promote the long-term adherence of health-enhancing behaviors.”と記されている。言い換えると、「呼吸リハビリテーションとは、慢性呼吸器疾患患者の身体および心理的な状況を改善し長期の健康増進に対する行動のアドヒアランスを促進するための、患者個々の必要性に応じた治療であり、徹底した患者アセスメントに基づいた包括的な医療介入である。運動療法、教育、行動変容だけが含まれるものではない。」と定義されている。

 呼吸リハビリテーションの到達点に関する考え方には歴史的な変遷が見られる。すなわち、排痰法や呼吸法習得などを主な目的とした時代を経て、1990年代頃からは運動療法を主体とするものになった。 エビデンスが最も豊富なCOPDについて述べると、確かに、2002年のMyersらの報告や2004年のBODE indexの報告でみられるように運動耐用能が良好な患者ほど死亡リスクが低いことがわかる。そのため運動耐用能を向上させることを目標にすることは理にかなっていた。しかし、導入時に運動耐用能を向上させても、効果が一時的であっては良いとは言えない。良好な状態を維持することが不可欠であるが、現実的には困難である。その後の研究では、運動耐用能よりも加速度計を搭載した機器による身体活動性のモニタリングの方が予後に関連性が高かったことが2011年に報告された。また、身体活動性の重要性とともに注目されているのがCOPDにおける全身性炎症である。COPDでなぜ全身性炎症なのか?その原因を身体活動性の低下に求める考えがトピックになっている。つまり、運動することによって骨格筋が収縮しその刺激がトリガーとなってmyokineが筋線維から合成・分泌されるが、myokineは抗炎症性にオートクライン、パラクライン的に筋周囲の組織に作用し、ホルモン様に遠隔臓器にまで作用するからである。このようなエビデンスが集積することによって、呼吸理学療法の方向性も見えてくる。患者個々の必要性に応じた治療の中には栄養療法も含まれる。単独での効果は乏しいが運動療法との併用で効果が期待できる。特に、BCAA、ω3脂肪酸、ホエイ蛋白などの可能性が報告されている。われわれは、ω3脂肪酸に関連する脂質メディエーターの研究も進めており、今後の可能性について言及したい。

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© 2019 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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