関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第42回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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一般演題
間歇性跛行を呈する下肢動脈疾患患者の運動療法を訪問リハビリテーションで実施した症例
松本 純一坂元 博木下 幹雄
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p. P-047-

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抄録
【はじめに】 間歇性跛行を呈する下肢動脈疾患(lower extremity artery disease 以下 LEAD)患者に対するリハビリテーションの有効性はガイドラ インに示されているが,通院が困難などの理由により監視下運動療 法の継続が課題と言われている.今回,病院への外来通院が困難 なLEAD患者に対する運動療法を訪問リハビリテーション(以下訪問 リハ)で実施する機会を得たので報告する. 【症例】 70歳台女性.診断名:左LEAD,既往歴:右包括的高度慢性下肢 虚血,右Ⅳ趾切断後,脳出血右片麻痺,糖尿病,深部静脈血栓 症,慢性腎臓病,高血圧,左変形性股関節症,要介護2.今回,左 LEADに対し,近医で左浅大腿動脈に対し,血管内治療を実施した 後に訪問リハビリテーション介入の運びとなった.血管内治療前の 足関節-上腕血圧比は右0.90/左0.45であった. 【経過】 本症例は,歩行時右下肢に短下肢装具を使用し,左上肢にロフス トランド杖を使用していた.血管内治療前は8mで連続歩行困難で あった.症例本人および担当ケアマネジャー,血管治療医より, LEAD に対するリハビリテーションの要望があり,週1-2回の訪 リハスケジュールを組み,屋外歩行練習の自主トレーニングを指導 した.下肢筋の負荷を意識した筋力強化運動,歩行練習を中心に, 足部の観察,関節可動域運動を併せて実施した.訪問リハ介入時は 20m(下肢痛はNumerical Rating Scale7/10)であった.介入 から約2ヶ月で110mへと延長した. 【考察】 本症例は訪問リハにおいて運動療法を実施したが,下肢の創傷, 虚血症状の増悪を認めることなく,歩行距離の延長を得ることが できた.在宅という限られた環境の中でも,LEADの運動療法の 原則に則り,リスク管理として足部の観察を行うことで安全に運動 療法を行うことができたと考える. 【倫理的配慮,説明と同意】 症例に対し,本発表内容について十分に説明し,同意を得た.
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© 2023 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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