主催: 日本理学療法士協会 関東甲信越ブロック協議会, 一般社団法人 山梨県理学療法士会
会議名: 第44回関東甲信越ブロック理学療法士学会・第28回山梨県理学療法士会学術集会 合同学会
開催地: 山梨県
開催日: 2025/11/15 - 2025/11/16
【目的】
超高齢化社会において、いかに健康に生活するだけではなく、いかに満足して生きるかも重要である。我々は生活の満足度にはフレイルや個人の性格が関連しているという仮説を立てた。そこで、本研究では生活満足度とフレイル、性格との関連性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は地域高齢者 81 名(平均年齢 77.0 歳、女性 55 人)とした。生活満足度の評価にはLife Satisfaction Scale(LSS)を用いた(Shimada H, Front Psychiatry, 2020)。LSS は、日頃の生活における①自分の健康、②経済状況、③家、④家族・親戚との付き合い、⑤自分の時間、⑥自分の役割、⑦友人との付き合い、⑧地域環境、⑨近所付き合い、⑩日本の政治、⑪社会保険、⑫自身の人生、⑬心の健康の 13 項目についての満足度を 4 点法で回答する指標であり、得点が高いほど生活満足度が高いことを示す。フレイルは J-CHS、性格は the Japanese version of the Ten Item Personality Inventory (TIPI-J)にて評価した。 J-CHS に基づいてロバストと非ロバストに群分けし、LSS 合計点と下位項目(Bonferroni 補正あり)については Mann-Whitney の U検定にて群間比較を行った。LSS と TIPI-J の 5 つの性格特性の関係については Spearman の順位相関係数を算出した。有意水準は 5%とし、統計解析には jamovi(version2.6.26)を用いた。
【倫理的配慮】
本研究はヘルシンキ宣言を遵守して計画され、演者の所属施設の研究倫理委員会の承諾を得た(2457 号)。対象者には参加同意書に署名を得たうえで測定を実施した。
【結果】
ロバストは 42 人、プレフレイルは 35 人、フレイルは 4 人であった。LSS の中央値は全体で 39.0 点、ロバスト群で 40.0 点、非ロバスト群で 38.0 点であった。ロバスト群、非ロバスト群において、 LSS 合計、および下位項目ともに有意差は認められなかった。 LSS と TIPI-J の関連については、神経症傾向以外の 4 項目で有意な相関が見ら れ、勤勉性で最も相関が強かっ た(rs=0.34、 p<0.05)。
【考察】
仮説とは異なり、J-CHS にて評価された身体的フレイルの状態は生活満足度には影響を及ぼさないことが示唆された。勤勉性が高い高齢者は、日々の日課を守りながら生活していることなどが想定され、生活満足度が高い可能性がある。また、生活満足度は、身体的機能よりも心理状態や生活環境の影響を受けると考えられる。そのため、今後は生活満足度と精神・心理的、社会的フレイルとの関係について検討していく必要がある。