公共政策研究
Online ISSN : 2434-5180
Print ISSN : 2186-5868
論文
政策評価と政策類型――地方政府の政治過程における評価機能――
宗前 清貞
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2001 年 1 巻 p. 127-140

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抄録

本稿では,政策評価が実際の政治過程でどのように機能するのかについて論じる。近年,注目を集めるようになった政策評価をめぐる議論は,どちらかと言えば規範的なガヴァナンス論として成立しているが,政策領域ごとの特質,言い換えると政策アリーナごとに異なっている政治の特徴は考慮に入れられていない。筆者はこうした立場をいったん離れ,政治過程という「紛争の調整と解決の場」で「評価」という機能がどのように働き得るかを考察する。また政策過程の前決定過程(アジェンダセッティング)において有意に行動できる条件が,広義の政策情報にあることに焦点を当て,政策評価が政策過程の各段階と連関したものであること,言い換えるとPlan-Do-Seeアプローチのように各段階が自律した上で経時フローする過杵の一環として存在するのではなく,各段階が濃密に関連したフラットな過程として政策過程を捕らえるべきことを検証したい。

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© 2001 日本公共政策学会
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