Phenomena in Nursing
Online ISSN : 2432-1958
Print ISSN : 2432-4914
妊娠期におけるマイナートラブルの概念分析
宮川 幸代
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2018 年 2 巻 1 号 p. O1-O9

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抄録
【目的】 看護実践の場における妊婦への支援を検討するために,妊娠期における「マイナートラブル」の概念を明確にすることである。 【方法】 Rodgersの概念分析のアプローチを用いた。データ収集は「医中誌Web(Ver. 5)」による,検索キーワード「マイナートラブル」とした18文献より分析した。 【結果】 属性は,[不快を伴う状態][妊娠週数に応じて変動する][出産への悪影響はない]を抽出した。先行要件は,妊娠による身体変化の自覚として[形態的変化][内分泌的変化],妊娠による影響を受ける変化として[生活環境の変化]を抽出した。さらに,帰結は,妊婦への影響となる[生活に困難を抱える][出産や育児に対する希望や喜びが抑制される][周囲の理解が得られない][苦痛の解消をあきらめて我慢する]を抽出した。 【結論】 妊娠期のマイナートラブルの概念は,「妊娠週数に応じて変動する不快を伴う状態であり,出産への悪影響がない妊婦の自覚的な現象」とした。妊娠期におけるマイナートラブルの概念分析により,妊婦への支援としては,マイナートラブルに関する知識提供,妊婦からの聞き取りにより不快を伴う状態の確認,妊婦への影響となる視点をもって関わることが必要と思われた。
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© 2018 公立大学法人兵庫県立大学
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