1994 年 24 巻 4 号 p. 59-72
品質保証の課題をアメリカのCCHの製品責任事例と日本の事故情報収集制度報告書における事例の研究を通じて考察して,製品責任制度下における品質保証の課題を解決するための方法論を導く。このアプローチにより,製品事故が3つのタイプの欠陥による損害の発生メカニズムによって説明できることを明らかにする。さらに,モデルを信頼性工学,認知心理学の2つの視点から考察することにより,製品事故発生を未然に予防して顧客要求に適合した製品の設計・生産・販売を行うために有効な是正策と手法を提示する。最後に,これらの結果を品質保証の段階とともに示し,品質保証の課題を解決するための品質保証体制の在り方を具体的に明らかにする。