抄録
大規模ソフトウェア開発におけるコーディング・単体テスト工程では, 完了したプログラム本数で進捗を管理することが多い.その場合, 進捗推移のグラフは遅れがちなS字榊線を描く.そのため進捗推移めグラフだけでは作業が順調に進んでいるかどうかを判断することは難しい.この問題を解決するため5チームによる大規模プロジェクトの進捗データを分析し、さらに現場での状況を考察することにより, 工程の「はじめ」「なか」「おわり」における作業特性や生産性の変化に違いがあることを見いだした.その結果から, さらに「なか」を2分割して, ゴーアィング・単体テストの工程を4つの区間に別けて管理する方法を工程内4分割管理方式と呼んで提案する.この方式を用いることにより, 従来のプログラム本数による管理だけでなく, 各区間ごとに新しい観点による目標管理が可能となり, 単調で長い工程をより確実に管理できるようになる.また, この方式を利用した見積もり方法についての考察を行う.