品質
Online ISSN : 2432-1044
Print ISSN : 0386-8230
調査研究論文
コンセプトテストにおける具体性が評価結果に与える影響
加藤 誠中條 武志
著者情報
ジャーナル 認証あり

2004 年 34 巻 4 号 p. 419-428

詳細
抄録

 製品開発の初期段階でコンセプトテストを行う際の難しさの一つは,コンセプトの内容を言葉で表す場合が多いため,その表現方法に注意しないと,コンセプトテストの結果と実製品の評価との間にずれが生じる場合が少なくないことである.
 本論文では,製品コンセプトがアイデマとベネフィットから構成されるととらえた上で,言葉による表現に焦点を絞り,各々の具体性のレベルを変えたときに評価結果がどのように変化するか,複数の製品を取り上げて実験した.結果としてベネフィット,アイデアをどの程度具体的に表現するのがよいかは,「性能」「操作性」「安全性」などの品質項目で異なること,「性能」については,アイデアの表現の具体性は低<おさえた上で,ベネフィットを具体的に表現するのがよいこと,他方「操作性」については,製品属性によって異なるが,専門知識の必要でないものについてはベネフィットの表現の具体性を低くおさえるのがよいことなどがわかった.

著者関連情報
© 2004 一般社団法人 日本品質管理学会
前の記事
feedback
Top