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クオリティ レポート
イノベーション七つ道具(I7)の提案
藏冨 一忠
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2006 年 36 巻 2 号 p. 240-247

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抄録

 日本企業とりわけ製造業は激変する経営環境の中,優位確保のため他社を差別化する新しい技術を絶えず創造せねばならない.他方,TQM は総合「質」の経営を指向しステークホルダー全体が満足する製品や用益を持続的に供給する「尊敬される存在」を指向する.TQMには理念実現のために経営管理や経営科学の手法として「戦略立案七つ道具」や「商品企画七つ道具」があるが,それらを有効と評価し,「イノベーション七つ道具(以下「Ⅰ7」)」の設定を 提案する.
 それは,TQM がQCやTQCから戦略的な体系化を目標とする今,イノベーション手法も製品開発や改良からイノベーション特性を強化するものに拡大されるべきであるからである.「Ⅰ7 」はイノベーション特性強化戦略の主要課題を推進するツールとして機能する.
 それらは,次のとおりである.
 (1) イノベーションマップ
 (2) コア・コンピタンス分析
 (3) 技術蓄積 PPM
 (4) コンカレント度評価表
 (5) クラスターおよび産官学との連携図
 (6) 主要技術要員およびイノベーター育成計画表
 (7) バリューチェーン (VC)によるビジネスモデル構築戦略図
 その結果,日本企業のさらなる躍進と TQM の発展に貢献する.

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© 2006 一般社団法人 日本品質管理学会
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