抄録
本研究では,医療において職場で定めた対策が意図的に守られないことが安全確保を難しくしていること,不遵守防止に対する組織としての取り組みのどこを改善すべきか重点を絞る上で永井らの提案した方法MIBMが有効であること,組織としての取り組みを改善するための具体的な方策についてはその全体像が明確になっていないことを踏まえて,全国の規模の異なる56病院に対して郵送調査を行い,MIBMにおいて着目されている4つの取り組みを改善するための方策を体系化した.結果として,4つの取り組みを徹底できている病院はほとんどないこと,徹底させるための方策の実施状況は病院によって差があること,方策を適切に組み合わせることで取り組みの徹底度を向上できること,取り組み「対策の不遵守に対する職場での指導・指摘」については規模によって方策を変える必要はないが,他の取り組みについては規模によって方策を変えるのがよいことなどがわかった.これらの結果とMIBMをあわせて活用することで,それぞれの病院に合った取り組みが実践され易くなると期待できる.