抄録
自治体による健康づくり事業の有効性や効率性を維持,向上させるにはPDCAサイクルを回す必要があるが,具体的な方法は明らかでない.本稿では,事業の担当部署が,設定された事業目標の達成手段であるプロセスを着実に遂行するプロセス管理を実践できることをめざし,留意すべき重点業務を導く手法である「チェックポイントの導出手法」を提案することを目的とする.和歌山県の健康づくり啓発イベント事業への適用を通してその有用性を考察する.
提案手法は,製品製造におけるQC 工程表や医療業務におけるプロセス管理標準の設計方法を応用して構築し,(1)目標の展開,(2)プロセスの展開,(3)目標とプロセスの関係の把握,(4)チェックポイントの導出から構成される.事例適用の結果,重要度の高い目標に対してチェックポイントを導出でき,それらが,既存の資料をカバーできていることや,情報を集約することで引継書として使用できる可能性があることが分かった.また,当該事業の管理者および担当者へのヒアリング結果より,チェックポイントが,事業目標を達成するための重点業務に関する情報を集約できていることが示された.