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偏相関係数行列の逆行列を利用した主変数選択規準と グラフィカル・モデルに基づく特徴づけ
吉田 悠夏黒木 学
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2023 年 53 巻 4 号 p. 239-251

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抄録
 主成分分析法は多変量データを構成する複数の測定項目が持つ相関情報を分析し,それらの測定項目の持つ変動をなるべく少数の変数の変動で説明するために,統合化された指標(主成分)を構成する多変量解析法の一つである.しかしながら,主成分はもととなる測定項目すべての線形結合という形で与えられるため,興味ある個体に対して主成分得点を求める際,もとの測定項目すべてを測定することが必要となる.この問題を解決するために,McCabe(1984)は主成分導出規準を利用した主変数選択規準を提案した.その後,de Falguerolles and Jmel (1993)はガウシアン・グラフィカル・モデルの観点から主変数選択問題を検討し,対数尤度比検定統計量を利用した主変数選択規準を定式化している.しかしながら,McCabe(1984)やde Falguerolles and Jmel(1993)は,その数理的な性質を明らかにしているわけではない.このことを踏まえて,本論文では, de Falguerolles and Jmel(1993)とMcCabe(1984)が提案した主変数選択規準を参考に,偏相関係数行列の逆行列を利用した新たな主変数選択規準を提案し,無向独立グラフの観点から数理的な特徴づけを行う.
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© 2023 一般社団法人 日本品質管理学会
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