抄録
日本の建設業は,他の産業と比較して時間外労働時間が多発している.さらに,2024年4月からの働き方改革に対応する必要があり,建設業の労働環境改善は重要な課題である.この状況に対して,Business Process Outsourcing(以下,BPO)を活用して業務シフトを行うことが一つの解決策であり,建設業においても活用されている.ここで,単にBPO を活用するのみでは建設業全体の業務効率向上は難しく,業務を標準化した上でBPO を活用することが効果的と考えられる.
しかし,現状では,書類業務のBPO は実施されているものの,BPO 先の企業において標準化されておらず,依頼ごとに書類業務の実施方法が異なっており,建設業界全体での効率化には至っていない.業務の標準化をするには,まず業務のやり方を把握する必要がある.
その手段として,業務観察による実行プロセスの把握なども考えられるが,本研究で対象とする書類業務の場合,写真帳や議事録といった書類が業務のアウトプットとして出力され,そこには業務の結果が反映されるため,それを分析するのが効果的である.そこで本報では,書類業務のアウトプットである書類に焦点を絞り,標準化推進のためのアウトプットの差異を分析する方法の提案を目的とする.