抄録
多工程の場合,工程間の検査方式はいかにして求めたらよいかについて前報において論じた方法の拡張方法を検討する.工程間の検査方式は,不良率の少ない場合は無検査を,多い場合は全数検査を採用する場合が多いが,その判定基準は,検査コストと次工程に不良品が混入したために生ずる損失/個Dを求めることによって決められる.Dは "ネック工程 (製品に対する需要が生産能力を上回る工程) のある状態" と "手余り状態" (全工程の生産能力が製品に対する需要を上回る状態) で異なる.Dは後工程間の検査方式の影響を受け,また後工程にネック工程のある場合は前工程までの中間製品のコスト (最初の工程からネック工程までの工程間の検査方式に関係する) の関数になっている.本論文は,Dをいかにして求め,どの工程間で全数検査を行ったら最も経済的かについて論じたものである.