本論文における連続生産型抜取検査は,過去や現在の情報が有効に利用できる抜取方式として広義に取り扱う.一般に過去の情報を利用する抜取方式は,Bayes 流の事前分布を用いる方式も含めて,長期的に品質が安定である場合には有効であるが,母集団の変化に対しては品質が保証されないと言う欠点を持つ.そこで本論文では,不良個数の累積和をつくり情報を逐次的に追加するとともに,変化があったと判定された場合その変化の生起点にさかのぼった全数選別をすることにより,母集団の変化にも対応できる方式を連続生産用累積和抜取検査方式として提案する.本方式の特性解析のために確率過程の適用を計り,特に再生理論の中で条件付の平均到着時間等の新しい特性量を導いた.また,品質の変化のモデルとして一方向に変化するあらゆるパターンを取り上げ,その時の過渡的な品質を表わす指標として平均臨時出検品質 (AEOQ) を定義し,本方式の有効性を証明した.
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